こんにちは、さち です。
Illustrator の代替としてコスパが良い Affinity Designer。低価格なのに高機能で、本格的なドロー(ベクターを描く)アプリです。
今回は、この Affinity Designer でフチ取りを付けられる2つの機能、「境界線」と「アウトライン」の違いについて見ていきます。
「境界線」と「アウトライン」
境界線
「境界線」は、ウィンドウ上部から設定できます。
「境界線」は基本的にベクターレイヤーに付けるものです。
「Designer」であれば「アピアランス」機能を使って、1つのレイヤーに複数の「境界線」を付けられます。
アウトライン
「アウトライン」は、「レイヤーエフェクト」から設定できます。
「結合(角)」はラウンド結合で固定されていて変更できません。
ちなみに、下記の小技を使うことで、1つのレイヤーに複数の「アウトライン」を付けることもできます。「アピアランス」を使えない「Photo」「Publisher」では有効な小技です。(Affinity V2 以降ではアウトラインを複数つけられるようになりました)
基本機能の違い
「境界線」と「アウトライン」の基本機能の違いは下記の表のとおりです。
「境界線」の方が高機能だと思っておけば大丈夫です。
境界線 | アウトライン | |
---|---|---|
実線 | ||
破線(点線) | ||
ブラシ風の線 | ||
ラウンド結合 | ||
ベベル結合 | ||
マイター結合 | ||
重なり順序の変更 | ||
矢印の付加 | ||
筆圧調整 |
「境界線」は、「破線(点線)」にしたり「ベベル結合」「マイター結合」によって角をとがらせたりでき、デザイン上大きな差になります。
また、「矢印の付加」は矢印を描くのに非常に役立ちます。詳細は下記の記事を参照して下さい。
挙動の違い
「境界線」と「アウトライン」は、適用する「レイヤー」によって微妙に挙動が異なります。
シェイプ(図形)レイヤー
境界線
「ベベル結合」「マイター結合」にすることで、角のフチ取りをとがらせることができます。「ラウンド結合」にすると丸められます。
これは「境界線」の仕様が原因なので、他の種類のレイヤーでも起こります。
アウトライン
角の処理は「ラウンド結合」で固定されていて、変更できません。
これは「アウトライン」の仕様が原因なので、他のレイヤーでも起こります。
カーブレイヤー
閉じていない&塗りつぶしなしにした「カーブ」に対して適用していきます。
境界線
「カーブ」の線を描くために「境界線」を使うので、ここにフチ取りを付けるには複数の「境界線」を描ける「アピアランス」機能が必要です。「アピアランス」は Affinity Designer でのみ使用できます。
また、フチ取りの線端の処理は「ラウンド」「バット」「スクエア」のいずれにしても、「エフェクト」のものと異なります。
アウトライン
2本目の「境界線」は1本目の「境界線」に重なって描かれますが、「アウトライン」は「境界線」の周囲に付きます。
例えば上図のフチ取り(ピンク色の線)の太さは、「境界線」では黒色の線の幅の3倍である「30px」で描いていますが、「アウトライン」では黒色の線と同じ幅の「10px」で描いています。
テキストレイヤー
「文字」スタジオで、「背景色」をグレーにした「テキスト」に対して適用していきます。
境界線
フチ取りは「文字」に対して行われます。
アウトライン
フチ取りは「テキストエリア」に対して行われます。(「背景色」が透明なら、フチ取りは「文字」に対して行われる)
画像レイヤー
透過付きPNG の「画像レイヤー」に対して適用していきます。
境界線
透過部分を含む画像レイヤー全体に対してフチ取りが付きます。
アウトライン
透過部分は含まず、描画範囲に合わせてフチ取りが付きます。
ピクセルレイヤー
境界線
ピクセルレイヤーはベクターではないので、そもそも適用できません。
アウトライン
描画範囲に合わせてフチ取りが付きます。
まとめ
見た目には非常に近い「境界線」と「アウトライン」ですが、処理方法が微妙に違うことが分かったと思います。
個人的には、レイヤーエフェクトの「アウトライン」でも、角の処理を「境界線」のように「ベベル結合」「マイター結合」を選べるようにして欲しいです。
両者の特徴と違いを理解して、目的にあった方を使い分けるようにしていきましょう。もちろん、同時に両方を使うのも良い方法です。
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