こんにちは、さち です。
Illustrator の代替としてコスパが良い Affinity Designer。低価格なのに高機能で、本格的なドロー(ベクターを描く)アプリです。
今回は、この Affinity Designer で、1つのファイルの中に複数のキャンバスを作る機能「アートボード」の使い方について書いてきます。
アートボードとは?
「アートボード」は、1つのファイルの中に複数のキャンバスを作れる機能です。この機能で作ったキャンバスのことを「アートボード」と呼びます。
例えば、上の図は「ラブライブ!」のキャラクターアイコンを描いたものです。アートボードを使うと複数のアイコンを1つのファイルにまとめられるので、別々のファイルに保存するより扱いやすくなります。
他にも、名刺やチラシの表面/裏面,色違いのデザイン,色々なサイズのバナー作成など、アートボードが役立つ場面は多くあります。
作り方
アートボードの作り方を、状況ごとに書いていきます。
「新規ドキュメント」で作る
「既存のドキュメント」で作る
キャンバスから作る
「キャンバス」をそのまま「アートボード」に変換します。
- すでにドキュメントが作ってある状態。この「キャンバス」を「アートボード」に変換してみます。
- 「アートボード」ツールを選択。
- サイズを「ドキュメント」にして、「アートボードを挿入」をクリックします。
- キャンバスがアートボードになりました。
レイヤーから作る
レイヤーのサイズに合わせて「アートボード」を作ります。
追加する
アートボードを追加してみましょう。
「同じサイズ」を追加
「自由なサイズ」を追加
操作する
移動/サイズの変更
ドラッグ&ドロップで直接変更
- 「レイヤ」スタジオで「アートボード」を選びます。
- 「アートボード」ツールを選択。
- アートボードの端をドラッグしてサイズを変更します。
- アートボード名の部分をドラッグすると移動できます(アートボードの端の制御点でない部分にカーソルを合わせても可能)。
ちなみに、「移動」ツールでも移動やサイズの変更ができます。操作方法は「アートボード」ツールと大体同じです。
数値入力で変更
「変換(変形)」スタジオを使うと、数値入力で操作できます。回転も可能です。
レイヤーまで連動するのを防ぐ
「移動」ツール,「変換(変形)」スタジオでアートボードのサイズを変更すると、中身のレイヤーまで連動してしまうことがあります。
その場合は、「移動」ツールの画面上部右端にある「子をロック」にチェックを入れると、アートボードだけサイズを変えられます。
名前を変更する
- アートボードの左上ある名前が、初期値の「アートボード1」になっています。変更してみましょう。
- アートボードの名前は「レイヤ」スタジオと連動しています。ダブルクリックして書き換えましょう。
- アートボードの名前を変更できました。
キャンバスに戻す
- アートボードの状態です。通常のキャンバスに変更してみましょう。
- レイヤーと同じように、「アートボード」を選択して削除します。
- オブジェクトを削除するか聞かれるので、「オブジェクトを保持」をクリック。
- 通常のキャンバスになりました。
知ってると役立つかも
すべてのアートボードを1枚に書き出す
「エクスポート(Win:Ctrl + Shift + Alt + S キー、Mac:⌘ + Shift + ⌥ + S キー)」を使う場合、「領域」には自動で選択中のアートボードが指定され、そのアートボードだけが書き出されます。
この「領域」を「全文書」にすると、すべてのアートボードを1枚の画像にまとめて書き出せます。
すべてのアートボードを別々の画像として一気に書き出したい時は、「書き出し」ペルソナを使うと簡単です
アートボードの色を変える
「レイヤ」スタジオでアートボードを選択して「色」を選ぶと、アートボードの背景の色を変更できます。これは、「ドキュメント設定」で「透明な背景」にしていても有効です。
他のアートボードを操作不可にする
「レイヤ」スタジオの左下にある「すべてのレイヤを編集」をオフにすると、操作できるレイヤーが選択中のアートボード内にあるものだけに制限されます。要するに、誤爆防止機能です。
シェイプからアートボードを作る
シェイプ(図形)を描いて、メニューの「レイヤ」→「オブジェクトをアートボードに変換」とすると、その形のアートボードを作れます。(変換後もシェイプの制御点は有効)
「カーブ」でも同じことができますが、四角形以外のアートボードの使い道がよく分からない……。
ちなみに、メニューの「レイヤ」→「アートボードをオブジェクトに変換」で、真逆の操作ができます。
背景色を変える
『暗い UI なのにアートボードの背景が明るすぎる!』という人もいると思います。
そんな時は、メニューの「編集」→「環境設定(Win:Ctrl + , キー、Mac:⌘ + , キー)」と進み、「ユーザーインターフェース」内にある「アートボード背景グレーレベル」から変更できます。
その他
- Designer で作ったアートボードは Photo や Publisher でも問題なく使えます
- アートボードのサイズを変えることで、Photo の「切り抜き(トリミング)」ツールと同じような効果を得られます
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