こんにちは、さち です。
Photoshop の代替として優秀な Affinity Photo。低価格なのに多機能で、コスパに優れた画像編集アプリです。
今回は、この Affinity Photo で、複数のレイヤーの内容を同期できる「リンク複製」の使い方について書いていきます。
少し複雑な機能ですが、一度理解すれば便利に使えるようになるはずですよ。
使い方
基本操作
- 「楕円」が1つあります。この「楕円」レイヤーを選びます。
- メニューの「レイヤー」→「リンク複製」と進みます。
- 複製したレイヤーを右下に移動しました。「レイヤー」スタジオを見ると、レイヤーに「リンク」アイコンが付いています。この2つのレイヤーがリンク(同期)されている証拠です。
- 「リンク」スタジオ(メニューの「表示」→「スタジオ」→「リンク」)を使うと、リンクしている内容を確認できます。右端に「リンク」アイコンが付いている項目がリンク中です。つまり今回は、すべての項目がリンクしています。
- 試しに片方の「楕円」の色(塗りつぶし)を変えます。すると、もう片方も一緒に変わりました。「塗りつぶしパラメーター」がリンクしているからです。
- さらに片方の「楕円」に境界線を付けると、もう片方にも付きました。「線スタイルパラメーター」がリンクしているからですね。
リンクを解除する
- 全項目がリンクしている2つの「楕円」があります。
- 「ベクターシェイプパラメーター」の右端にある「リンク」アイコンをクリックすると、アイコンが消えました。これで、この項目のリンクは解除されました。
- 試しに、片方の「楕円」を「ドーナツ型に変形」してみます。
- もう片方の「楕円」は変化しません。「ベクターシェイプパラメーター」のリンクを解除したからです。
- 「塗りつぶしパラメーター」と「線スタイルパラメーター」のリンクは継続しているので、色の変更は同期されます。
特定の項目だけリンクする
- 「楕円」と「三角形」があります。現在は、「楕円」レイヤーを選んでいる状態です。
- ここで、「三角形」レイヤーを「塗りつぶしパラメーター」の左端にある黒い四角形にドラッグ&ドロップします。
- すると、「塗りつぶしパラメーター」の右端に「リンク」アイコンが付きました。この項目がリンク(同期)された証拠です。
- 「三角形」の色(塗りつぶし)を変えると、「楕円」も一緒に変わりました。「塗りつぶしパラメーター」をリンクしたからですね。
「リンク」スタジオの見方
前述の解説で「リンク」スタジオの見方は大体触れましたが、もう少し詳しく見ていきましょう。
「リンク」スタジオは下図のような機能を持っています。
リンクを開始
この部分にある黒い四角形にレイヤーを「ドラッグ&ドロップ」するとその項目のリンクが開始されます。一番上に「ドラッグ&ドロップ」すると、すべての項目がリンクされます。
注意点は、基本的にここにドラッグ&ドロップするのは未選択のレイヤーだということです。「リンク」スタジオに表示されているのは選択中のレイヤーなので、この選択中のレイヤーとリンクしたい別のレイヤーをドラッグ&ドロップさせる必要があります。
リンクするパラメーター
リンクする項目(パラメーター)です。表示される項目(パラメーター)は選択するレイヤーの種類によって異なります。
表示されるパラメーター | レイヤーの種類 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
ピクセル | シェイプ | カーブ | 調整 | フィルター | テキスト | |
ピクセルコンテンツ | ● | ● | ● | |||
ブレンディングモード&範囲 | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
不透明度&可視性 | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
レイヤーエフェクト | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
ベクターシェイプ | ● | |||||
ベクターカーブ | ● | |||||
調整 | ● | |||||
ライブフィルター | ● | |||||
塗りつぶし | ● | ● | ● | |||
線スタイル | ● | ● | ● | |||
テキスト | ● |
リンク中の別のレイヤーに移動
この部分にある「◀」「▶」をクリックすると、この項目(パラメーター)をリンクしている別のレイヤーに移動できます。
リンクのオン/オフ
この部分にある「リンク」アイコンをクリックすると、リンクを解除できます。解除されるとアイコンが消えます。一番上にあるアイコンをクリックすると、すべてのリンクを解除できます。
【余談】 テキストの挙動について
「テキスト」レイヤーでは、「塗りつぶし」「境界線」のリンクが「テキストパラメーター」で行われます。
この仕様だと「塗りつぶしパラメーター」と「線スタイルパラメーター」の存在意義がよく分からなくなるので、何だかしっくり来ません。
「Designer」では、「テキスト」レイヤーには「アピアランス」で境界線を1つしか付けられない制限があるので、「テキスト」だけ内部処理が違うのもしれません。
「塗りつぶし」と「境界線」のリンクが「テキストパラメーター」から独立してくれると、できることが広がるので、仕様を変更してほしいなと思っています。
Affinity に関する他の記事

コメント