Affinity Photo:「ベクター」を使って無劣化の線を描く

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Affinity Photo でベクターの線を描く方法

こんにちは、さち です。

Photoshop の代替として優秀な Affinity Photo。低価格なのに多機能で、コスパに優れた画像編集アプリです。

今回は、この Affinity Photo で、ベクター(ベジェ曲線)を使って線を描く方法について勉強していきます。

ベクターは計算式によって描かれる機械的な線なので、拡大/縮小や再編集をしても劣化しないのが

ラスター(ピクセル)で線を描くより操作が直感的ではなく、最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れればラスターよりキレイな曲線を簡単に描けるようになりますよ。

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ベクターの基本

ベクターの線を描く流れ

まずは、細かいことは気にせず、ベクターで線を描くときの流れをざっくり確認していきます。

  1. ベクターで線を描くには、「ペンツール」を使います。
    Affinity Photo ペンツール
  2. 線を描いていきます。
    Affinity Photo でベクターの線を描く方法
  3. 描き終わったら……
    Affinity Photo でベクターの線を描く方法
  4. ベクターに「境界線」を設定します。
    Affinity Photo でベクターの線を描く方法
  5. ベクターで線を描けました。
    Affinity Photo でベクターの線を描く方法

ベクターの線は、「境界線」を設定しないと描画されません。はじめて使うと、この点にハマりやすいので注意しましょう。

例では、最後に「境界線」を設定しましたが、先に「境界線」を設定してからベクターの線を描くこともできます。

ベクターの線で「選択範囲」を作ることもできます

描ける線の種類

ベクターで描く線のことを「カーブ」と呼びます。

カーブの形は、画面上部にある「モード」からどれを選ぶかで変わります。つまり、4種類のカーブを描けます。

Affinity Photo でベクターの線を描く方法

各モードで描けるカーブはこんな感じ。
曲線を描ける「ペンモード」「スマートモード」
直線を描ける「ポリゴンモード」「線モード」があります。
Affinity Photo でベクターの線を描く方法

カーブは、下図の ○ や □ のような制御点を配置して描きます。この制御点のことを「ノード」と呼びます。ノードの形はモードによって違います。曲線は「○(丸)」、直線は「□(四角)」です。

Affinity Photo でベクターの線を描く方法

Photoshop や Illustrator の経験者だと、部品の名称が異なることに慣れる必要があります。

Affinity Photo Photoshop
制御点 ノード アンカーポイント
点と点を結んだ線 カーブ パス

ちなみに、線モードを除く各モードは1つのカーブの中に混在可能。つまり、直線と曲線が入り混じったカーブを描けます。

線(カーブ)の曲がり具合

下図のように、「ペンモード」と「スマートモード」では曲線を描けます。

Affinity Photo でベクターの線を描く方法

曲線の曲がり具合は、各ノードから伸びている「ハンドル」で決まります。ハンドルの「向き」や「長さ」を変えることで、曲線の形が変わります。

下図のように、ノードの位置が同じ場合でも、ハンドルの長さを変えると曲がり方は大きく変わります。

Affinity Photo でベクターの線を描く方法

「ペンモード」では、ノードを配置するときにドラッグすることで、ハンドルの向きや長さを調整できます。

「ペンモード」と「スマートモード」の違い

「ペンモード」では、クリックで「直線(シャープ)」のノード、ドラッグで「曲線(滑らか)」のノードを配置できます。

「スマートモード」では、クリックするだけで「曲線(滑らか)」のノードを配置できます。ドラッグをしてもノードの位置が移動するだけです。

「スマートモード」は、「ペンモード」の簡易版みたいなものなので、慣れないうちは「スマートモード」の方が使いやすいかもしれません。

カーブの編集

描いたカーブは後からでも編集できます。

編集方法は順に詳しく見ていきますが、いずれの場合も「ノードツール」を使用します。

Affinity Photo ノードツール

変形する

カーブの上でクリックすると、その場所に新しいノードを追加できます。

Affinity Photo でベクターの線を描く方法

カーブの上でドラッグすると、カーブを曲げられます。最初は「ハンドル」の操作だけで思い通りの曲線を描くのは難しいので、慣れるまではこの方法を併用すると便利です。

Affinity Photo でベクターの線を描く方法

ノードの変換

「直線(シャープ)」と「曲線(滑らか)」のノードは、後からお互いに変換できます。

  1. 例えば、「直線(シャープ)」のノードだけでできたカーブがあります。ドラッグして、この2つのノードを選択します(Shift キーを推しながらノードをクリックしてもOK)。
    Affinity Photo でベクターの線を描く方法
  2. 画面上部にある、「変換」から目的のものをクリックします。今回は、「滑らかに変換」してみます。
    Affinity Photo でベクターの線を描く方法
  3. 選択したノードが「曲線(滑らか)」に変換され、ハンドルを調整できるようになりました。
    Affinity Photo でベクターの線を描く方法
「曲線(滑らか)」のノードのハンドルを Alt キー(Mac: キー)を押しながらつかむと、ノードを「直線(シャープ)」に変換できます(2つのハンドルの向きを別々にできる)。
逆に、「直線(シャープ)」のノードのハンドルを、ペアのもう片方のハンドルと一直線に並べると、ノードを「曲線(滑らか)」に変換できます。

カーブを閉じる/切断する

カーブを閉じることで切れ目のないカーブを作成したり、逆に切れ目のないカーブを切断することができます。

カーブを閉じる

  1. 「ノードツール」を選択。
    Affinity Photo ノードツール
  2. カーブを選択します。(ノードを選択しなくても、カーブが編集対象になっていればOK)
    Affinity Photo でベクターの線を描く方法
  3. 画面上部にあるアクションの「カーブを閉じる」をクリック。
    Affinity Photo カーブを閉じる
  4. カーブが閉じられ、切れ目がないカーブになりました。
    Affinity Photo でベクターの線を描く方法
「最後」のノードを「最初」のノードに重ねて配置しても、そのカーブを閉じられます

カーブを切断する

  1. 『ノードツール」を選択。
    Affinity Photo ノードツール
  2. 切断したい位置にあるノードを選択します。(ノードが青く塗りつぶされればOK)
    Affinity Photo でベクターの線を描く方法
  3. 画面上部にあるアクションの「カーブの切断」をクリック。
    Affinity Photo カーブの切断
  4. 一見何も変化していないように見えますが、選択していたノードをドラッグすると、カーブが切断できているのが分かります。このノードを削除すれば、ノード間の線を削除したような状態になります。
    Affinity Photo でベクターの線を描く方法

カーブの中を塗りつぶす

  1. 「ノードツール」を選択。
    Affinity Photo ノードツール
  2. カーブを選択します。(ノードを選択しなくても、カーブが編集対象になっていればOK)
    Affinity Photo でベクターの線を描く方法
  3. 画面上部にある「塗りつぶし」を開き、色を選択します。
    Affinity Photo でベクターの線を描く方法
  4. カーブの中が塗りつぶされました。
    Affinity Photo でベクターの線を描く方法

塗りつぶす色を選ぶときは、通常の「カラー」スタジオから選択してもOKです。

例では閉じたカーブを塗りつぶしましたが、閉じていないカーブも塗りつぶせます。

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