可逆圧縮AVIを使ってみよう!(1)

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可逆圧縮AVIを使ってみよう!(1)
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こんにちは、さち です!

今回は、動画編集で扱うavi動画の可逆圧縮について書いてみようと思います。

最近、私自身が可逆圧縮について調べることがあったため
その備忘録として今回の記事を書きましたが
可逆圧縮avi のことについてこれから調べようと思っている人に
少しでも役立つことができたら嬉しく思います。

今回は次の4つの可逆圧縮の
エンコード時間,ファイルサイズ,CPU負荷などを調べてみました。

  • Huffyuv
  • Lagarith
  • Ut Video Codec Suite
  • MSU Screen Capture Lossless Codec

では、さっそくその結果を見てみましょう!

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この調査の目的

動画編集をするにあたり高画質な動画を完成させるには
元となる映像素材をいかに高画質のまま維持し編集するかというのが問題です。

また、動画編集時に快適なプレビューを行うためには
動画のデコード速度の速い動画形式を選択する必要があります。
(ファイルサイズが小さければデコード速度が速いと言うわけではありません)

上記2点を考えると一番よいのは
デコード速度も早く映像に劣化が全くない非圧縮aviを使用するすることです。

しかし、非圧縮aviはファイルサイズが非常に大きくなり
PCのハードディスクを大量に使用します。
(参考値: 640 x 360 約5分 の動画で 約10GB)

これを避けるために可逆圧縮aviを利用することで
ファイルサイズとデコード速度のバランスが取れたものを使用するのが一番です。
(可逆圧縮aviは映像の劣化はありません)

今回はこれらについて各可逆圧縮の特徴を調べていきます。

準備と方法

今回可逆圧縮をするために用意(作成)した動画は以下のような動画です。

形式:  avi (非圧縮)
ファイルサイズ:  3,558MB
フレームサイズ:  1280 x 720 (16:9)
音声:  なし (映像のみ)

今回使用したコーデックとそのバージョン(括弧内)は次の通りです。

  • Huffyuv (2.1.1)
  • Lagarith (1.3.18.0)
  • Ut Video Codec Suite (5.2.2)
  • MSU Screen Capture Lossless Codec (1.2)

エンコードには Aviutl を使用しました。
(今回のテストを行ったPCのCPUは Pentium 4 3.2GHz です)

デコード速度については Premiere Elements 7(以下:pre7と表記) でプレビューした際の
動画の再生の滑らかさで判断しています。

実際の結果

実際にエンコードをしてみたところ次のような結果になりました。

ファイル
サイズ
圧縮率※1 エンコード
所要時間
CPU負荷 デコード
速度
非圧縮avi 3,558MB - - - 速い






遅い
Ut Video Codec RGB※2 1,260MB 35% 1分59秒 40~45%
Huffyuv 838MB 24% 2分00秒 25~30%
Lagarith 510MB 14% 1分45秒 45~50%
MSU Screen Capture
キーフレーム1フレーム毎
1,438MB 40% 13分56秒 50~55%
MSU Screen Capture
キーフレーム15フレーム毎
355MB 10% 4分27秒 50~55% ※3

※1 圧縮率は「エンコ後サイズ÷エンコ前サイズ」で計算しています。
※2 YUVとRGBの違いについては YUVとRGBの比較DTVかくし味様)を参照して下さい。
※3 私が使っているpre7で読みこもうとするとpre7が落ちるので判別不可でした。

■圧縮率
圧縮率が優れているのは次のような順です。

  1. MSU Screen Capture (キーフレーム15フレーム毎) [10%]
  2. Lagarith [14%]
  3. Huffyuv [24%]
  4. Ut Video Codec RGB [35%]
  5. MSU Screen Capture (キーフレーム1フレーム毎) [40%]

同じ MSU Screen Capture でも
キーフレームの入れ方でファイルサイズが大きく変化します。

■エンコード所要時間
エンコードが高速なのは次のような順です。

  1. Lagarith [1分45秒]
  2. Ut Video Codec RGB [1分59秒]
  3. Huffyuv [2分00秒]
  4. MSU Screen Capture (キーフレーム15フレーム毎) [4分27秒]
  5. MSU Screen Capture (キーフレーム1フレーム毎) [13分56秒]

上位3つは大きな開きはありません。
MSU Screen Capture は他のものに比べエンコードに時間がかかるようです。

■CPU負荷
CPU負荷が低いのは次のような順です。

  1. Huffyuv [25~30%]
  2. Ut Video Codec RGB [40~45%]
  3. Lagarith [45~50%]
  4. MSU Screen Capture (キーフレーム1フレーム毎) [50~55%]
  5. MSU Screen Capture (キーフレーム15フレーム毎) [50~55%]

Huffyuv 以外は比較的高めです。
ただ、CPUに余裕があるのであればあまり気にする必要はないかもしれません。

■デコード速度
デコード速度の速さは次のような順です。

  1. Ut Video Codec RGB
  2. Huffyuv
  3. Lagarith
  4. MSU Screen Capture (キーフレーム1フレーム毎)

やはり非圧縮aviのデコード速度には勝てないけど
上位3つの Ut Video Codec RGB,Huffyuv,Lagarith の3つには
そこまで大きな差はありません(実用に耐えうる範囲だと思います)。

MSU Screen Capture (キーフレーム1フレーム毎) は
デコード速度が遅くプレビューがかなりカクつきました。
MSU Screen Capture (キーフレーム15フレーム毎)は
読み込み時に pre7 が落ちる不具合があり判断不可でした。

まとめ(総論)

全体的に一番バランスが取れていると思ったのは Lagarith でした。
より軽さを求めるなら Ut Video Codec,Huffyuv かなと思います。

本来、Ut Video Codec は Huffyuv より優れ
Lagarith と同じくらいの圧縮率を発揮するようですが
今回の実験では期待される数値は出ませんでした。

使用する動画によっても大きく変わるので
今回の結果が絶対というわけではありません。
あくまで参考値として見て下さい。

Premiere系(というより Adobe系)は
Huffyuv より Ut Video Codec の方が相性が良いようなので
Premiereユーザは Ut Video Codec と Lagarith がオススメです。
MSU Screen Capture はpre7で扱うメリットは少なさそうです。

この記事を作成するにあたり下記サイト様を参考にしました。
ありがとうございました。
各種可逆圧縮コーデックのダウンロードもこちらからできます。
各コーデックをインストールすれば
Aviutl等でもそのコーデックが使用できるようになります。

   → 編集用動画コーデックニコマスPの知恵袋Wiki 様)
   → MSU Screen Capture Lossless CodecCompression project 様)
   → 保管庫 - lossless@wiki

「Lagarith」「MLC」の2つの可逆圧縮について考察をした記事もありますので
よろしければ合わせてどうぞ!

   → 可逆圧縮AVIを使ってみよう!(2)

今回、調査時に使用した動画編集ソフトはこちらの Premiere Elements です。
気にいった方はぜひ使ってみてください。

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コメント

  1. パソコン大好き より:

    はじめてコメントします。
    元の非圧縮動画のファイルサイズはわかったんですけど長さはどれだけですか?

  2. うみの さち より:

    3年近く前の記事なので今は手元にデータがなく分かりません。
    すみません。

  3. パソコン大好き より:

    そうでしたか 日付を見ておりませんでしたので失礼しました。
    ありがとうございます。

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