こんにちは、さち です。
先日の2月3日は「節分」でしたね。
節分といえば「恵方巻」ですが、恵方巻を食べる時に向く「恵方」の方角って、毎年「やや東」みたいな微妙な方角ですよね。例えば2024年の恵方は「東北東 やや東」でした。
なぜ「やや東」みたいな微妙な方角になるんでしょうか。ちょっと気になったので調べてみました。
「恵方」は4種類しかない
実は、「恵方」は下記の4種類しかありません。また、5年を周期として繰り返すので、恵方は西暦の下一桁で固定されています。
西暦の下一桁 | 恵方 | 十干(※詳細は後述) |
---|---|---|
0, 5 | 西南西 やや西 | 庚(乙) |
1, 3, 6, 8 | 南南東 やや南 | 丙(戊, 辛, 癸) |
2, 7 | 北北西 やや北 | 壬(丁) |
4, 9 | 東北東 やや東 | 甲(己) |
「北」とか「北東」のような簡単な方角はありません。
「東北東 やや東」のような複雑な方角ばかりなので、いくつもあるような気がしていましたが、勘違いだったんですね……。
なぜ微妙にズレた方角なのか
恵方はその年の「
十干は全方位を24個に区切る「二十四山(図の赤色)」に含まれていて、恵方となるのは「
現代で一般的に使われている方角は、全方位を16個に区切る西洋式(図の緑色)のもの。
つまり、16個と24個で区切る個数が違うため、恵方に当てはまる方角の一般的な呼び名がありません。そのため、「やや東」のような補足が付くわけです。
【おまけ】 覚えやすくしてみる
「東北東」「南南東」などは覚えにくいので、近くの単純な方角に。「やや東」「やや南」なども複雑なので、その方角を向いた状態で「やや左」とすることで覚えやすくなります。
西暦の下一桁 | 恵方 |
---|---|
0, 5 | 西を向いて やや左 |
1, 3, 6, 8 | 南を向いて やや左 |
2, 7 | 北を向いて やや左 |
4, 9 | 東を向いて やや左 |
【余談】 恵方の決まり方
恵方の決まり方は説明が少し複雑なので、興味がある方だけ読んで下さい。
十干は、五行(ごぎょう)の「木」「火」「土」「金」「水」にそれぞれ陰陽を割り当てたものです。陽は「兄(え)」、陰は「弟(と)」として次のよう表されます。
甲(こう) | 木の兄(きのえ) | 己(き) | 土の弟(つちのと) |
---|---|---|---|
乙(おつ) | 木の弟(きのと) | 庚(こう) | 金の兄(かのえ) |
丙(へい) | 火の兄(ひのえ) | 辛(しん) | 金の弟(かのと) |
丁(てい) | 火の弟(ひのと) | 壬(じん) | 水の兄(みずのえ) |
戊(ぼ) | 土の兄(つちのえ) | 癸(き) | 水の弟(みずのと) |
ただし、二十四山では「土」が中央に配置され方角を示しません。そのため、「戊」「己」には「土」の代わりに「火」が割り当てられます。
甲(こう) | 木の兄(きのえ) | 己(き) | 火の弟(ひのと) |
---|---|---|---|
乙(おつ) | 木の弟(きのと) | 庚(こう) | 金の兄(かのえ) |
丙(へい) | 火の兄(ひのえ) | 辛(しん) | 金の弟(かのと) |
丁(てい) | 火の弟(ひのと) | 壬(じん) | 水の兄(みずのえ) |
戊(ぼ) | 火の兄(ひのえ) | 癸(き) | 水の弟(みずのと) |
「恵方」になるのは「兄(え)」だけ。つまり、「甲」「丙」「戊」「庚」「壬」の5種類です。
甲(こう) | 【恵方】木の兄(きのえ) |
己(き) | 火の弟(ひのと) |
---|---|---|---|
乙(おつ) | 木の弟(きのと) | 庚(こう) | 【恵方】金の兄(かのえ) |
丙(へい) | 【恵方】火の兄(ひのえ) | 辛(しん) | 金の弟(かのと) |
丁(てい) | 火の弟(ひのと) | 壬(じん) | 【恵方】水の兄(みずのえ) |
戊(ぼ) | 【恵方】火の兄(ひのえ) | 癸(き) | 水の弟(みずのと) |
しかし、前述のとおり「戊」は火の兄が割り当てられるので、恵方は「丙」と同じになります。つまり、恵方は「甲」「丙」「庚」「壬」の4種類です。
表に「十干」に対応する「西暦の下一桁」を付け加えました。ここで、「恵方」ではない「弟(と)」の十干には、5個後の十干を当てはめます。つまり、この表で隣合う十干と同じになります。
4 | 甲(こう) | 恵方 | 9 | 己(き) | 【← 甲と同じ】火の弟(ひのと) |
---|---|---|---|---|---|
0 | 乙(おつ) | 木の弟(きのと)【庚と同じ →】 | 5 | 庚(こう) | 恵方 |
1 | 丙(へい) | 恵方 | 6 | 辛(しん) | 【← 丙と同じ】金の弟(かのと) |
2 | 丁(てい) | 火の弟(ひのと)【壬と同じ →】 | 7 | 壬(じん) | 恵方 |
3 | 戊(ぼ) | 恵方(丙と同じ) | 8 | 癸(き) | 【← 戊と同じ】水の弟(みずのと) |
「西暦の下一桁」と「恵方」をまとめるとこうなります。
西暦の下一桁 | 恵方 (十干式記述) |
恵方 (西洋式記述) |
---|---|---|
4, 9 | 甲(己) | 東北東 やや東 |
0, 5 | 庚(乙) | 西南西 やや西 |
1, 3, 6, 8 | 丙(辛,戊,癸) | 南南東 やや南 |
2, 7 | 壬(丁) | 北北西 やや北 |
ということで「恵方」は4種類しかなく、5年周期で繰り返します。お疲れ様でした。
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