こんにちは、さち です。
今回は、アプリの映像と音声を「OBS Studio」で取り込んで(キャプチャ)して、その「OBS」を「Discord」で画面共有する方法について書いていきます。
音声事故を防ぐ設定【任意】
指定した「アプリ」以外の音(PC のすべての音)が配信されたり、「マイク」音声が OBS にも入ることで Discord の通話音声と二重になったりするのを防ぎます。
- 画面右下にある「設定」をクリック。
- 左側のメニューから「音声」をクリック。
- 「グローバル音声デバイス」にある「デスクトップ音声」「マイク音声」をすべて「無効」にします。これで、「デスクトップ」「マイク」の音は OBS に一切入力されません。
「デスクトップ」「マイク」の音声をオンにするという「誤操作」自体が起き得なくなるので、無用な音声トラブルがなくなります。
アプリ画面を取り込む(キャプチャ)
指定した「アプリ」の映像・音声を、「OBS」に取り込む(キャプチャする)セッティングをしていきます。
取り込む「アプリ」を選ぶ
- 取り込みたいアプリを起動しておきます。今回の例では「Minecraft(マインクラフト)」です。
- 画面左下にある「シーン」から登録先を選びます。新しく作るには下部にある「」をクリックします。(シーンはフタ絵や配信など、目的別に分けると切り替えが簡単で便利)
- 「ソース」の下部にある「(ソース追加)」をクリック。
- 今回は、アプリのウィンドウを取り込みたいので「ウィンドウキャプチャ」を選びます。(取り込むアプリ・メディアに合わせて最適なものを選んで下さい)
- 「新規作成」を選択して、分かりやすい「名前」を入力。「OK」をクリックします。
- 「ウィンドウ」で「Minecraft(マインクラフト)」を選択します。「音声をキャプチャ」にチェックを入れるとアプリの音も取り込めます。「OK」をクリックしましょう。
- OBS に「マインクラフト」の映像を取り込めました。
例では、分かりやすくするためにアプリ・メディアの取り込みは1つだけにしていますが、2個以上も可能です
映像の「サイズ」を配信画面に合わせる
取り込んだ映像を「配信画面」のサイズに合わせていきます。
- プレビューからサイズを変更したい「ソース」をクリックして選択。「赤い枠」が付けばOK。
- Ctrl + F キーを押すと、一発で配信画面のサイズに合います。(ソースを「右クリック」→「変換」→「画面に合わせる」でも可)
「サイズ」「配置」の操作まとめ
「サイズ」「配置」に関するいろいろな操作は、ソースを「右クリック」→「変換」から行うことができます。
効果 | ショートカットキー | |
---|---|---|
画面に合わせる | アスペクト比を維持して、配信画面のサイズに合わせる | Ctrl + F |
画面に引き伸ばして置く | アスペクト比を無視して、配信画面のサイズに合わせる | Ctrl + S |
画面中央に置く | 配信画面の上下左右中央に配置 | Ctrl + D |
垂直方向に中央揃え | 配信画面の上下中央に配置 | - |
水平方向に中央揃え | 配信画面の左右中央に配置 | - |
変換をリセット | サイズ・配置の変更などをリセットする | Ctrl + R |
他に、ソースの映像の「回転」「反転」などもできます。
音の設定をする
ソースの「音」を出す
初期設定のままだと、ソースの「音」が Discord の配信に乗りません。「音声ミキサー」の設定を変更しましょう。
- 画面下部の「音声ミキサー」にある「(オーディオの詳細プロパティ)」をクリック。
- 音を出したいソースの「名称」を探して、「音声モニタリング」を「モニターと出力」に変更します。完了したら「閉じる」をクリック。
音が二重に聞こえるときの対処
前項の設定をすると音が二重に聞こえることがあります。原因は「アプリ(マインクラフト)」と「OBS」の両方から同じ音が出ているからです。
「OBS」の方の音を消して、この問題を解決していきます。
- 画面右下にある「設定」をクリック。
- 左側のメニューから「音声」をクリック。
- OBS から出る音を消すため、「詳細設定」にある「モニタリングデバイス」を現在使っていないものに変更します。(私は「ヘッドホン」を使っているので「スピーカー」にした)
これで、「OBS」から出るモニターの音が消えて、「アプリ(マインクラフト)」の音だけになります。
この設定をしても、Discord の「画面共有」には OBS の音が乗るので大丈夫です。
Discord で OBS を画面共有する
OBS で配信用の画面を作る
- 画面右下にある「スタジオモード」をクリック。
- 画面上部が2画面になればOK。「プログラム(配信用画面)」が真っ黒の場合は、「フェード」をクリックすると「プレビュー」と同じものが映ります。
- 右側にある「プログラム」の画面上で「右クリック」をします。(「プレビュー」画面の方ではないので注意!)
- 「プログラムプロジェクターを開く」→「新しいウィンドウ」と進みます。
- 「プロジェクター」が開きました。これを配信用映像として使うので、プロジェクターのウィンドウの「サイズ」を大きくしておきましょう。(通常は 1280×720 程度でOK)
プロジェクターのサイズ変更が面倒な場合
ウィンドウのサイズを数値で確認したり、プリセットで一発変更したりできるアプリ「sizer」を使うと便利です。詳細は下記リンク先の記事で紹介しています。

Discord で画面共有をする
- Discord を開いて、「ボイスチャット(通話)」に入り、画面左下にある「(画面共有)」をクリック。
- 「プロジェクター - プログラム」を選びます。(OBS ではないので注意)
- OBS を「画面共有」できました。
画面共有にソースの「赤い枠」が表示される場合
画面共有するアプリを選ぶときに「OBS」を選んでいませんか? 「OBS」本体ではなく、「プロジェクター」を選んで下さい。
また、「プロジェクター」を「プレビュー」側で作っていませんか? 「プレビュー」側ではなく「プログラム」側で作って下さい。
それでも「赤い枠」が表示される場合は、一度「画面共有」を終了して、OBS を再起動(終了して再び起動)してみて下さい。
知ってると役立つかも
画質をどうするか
Discord で「画面共有」できる映像の仕様は、下記の通りです。
最大映像解像度 (サイズ) |
最大FPS (フレームレート) |
|
---|---|---|
一般ユーザー (無料) |
1280×720 | 30 |
Nitro ユーザー (有料) |
2560×1440 | 60 |
OBS でこれ以上の高画質の映像を配信してもあまり意味がありません。
あまり高画質にすると PC の負荷も上がるので、OBS の「設定(映像)」は上記の表の程度で良いと思います。
Discord 以外のサービスを使うときも、事前に配信の仕様を調べておきましょう。
流れる「音」は指定したものだけ
この記事のとおりに設定をすると、Discord に配信される「音」は、OBS で取り込んでいるものだけになります。今回の例なら「マインクラフト」だけです。
PC 上で流れている他のアプリの「音」は、Discord の配信に乗りません。
また、OBS の仕様上、Discord の配信に乗る音は「プログラム」に表示しているものだけです。(「黒にフェード」すると「音」も「映像」も何も流れない)
設定のバックアップ
この記事のとおり、「OBS」を使うのに必要な設定は多くて地味に面倒です。設定が完了したら、後のトラブルや移行に備えて「バックアップ」を取っておきましょう。
「設定(プロファイル)」のバックアップ
メニューの「プロファイル」→「エクスポート」でフォルダーを選択すると、そこにプロファイルと同名のフォルダーが作成されて設定ファイル(INI, JSON 形式)が書き出されます。
復元する場合は、メニューの「プロファイル」→「インポート」です。復元が完了したら、メニューの「プロファイル」の最下部から、インポートしたものを選択すればOKです。
「シーン」のバックアップ
メニューの「シーンコレクション」→「エクスポート」で、バックアップ用ファイル(JSON 形式)が書き出されます。
復元する場合は、メニューの「シーンコレクション」→「インポート」です。復元が完了したら、メニューの「シーンコレクション」の最下部から、インポートしたものを選択すればOKです。
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